フィンランドには四季があり、それぞれの季節がはっきりと違った魅力的な顔を持っています。
夏は湿度が低く過ごしやすい気温で、現地の人も白夜の長い夜をたっぷり楽しむ陽気な雰囲気の季節です。秋は自然が色づき黄葉が美しく、ベリーやきのこの恵み豊かな季節。冬はしっかりと寒いですが、雪や氷の白銀の世界が美しい季節。そして、春は生命の息吹が感じられ、夏に向けてみなぎるパワーを感じられる力強い季節です。
まずは、サイマー湖水地方の年間の最高気温と最低気温のグラフをチェックしてみてください。他のフィンランドの都市と同じように、一番温かいのが7月で最高気温25度を超える日もあり、一番寒いのが1月で最低気温が‐30℃の日もあります。ヘルシンキの気温から約マイナス5度くらい、と考えられます。
次に、フィンランドと東京の日照時間を比較してみました。
フィンランドは日の沈まない「白夜」、ずっと真っ暗な「極夜」のイメージがありますが、いかがでしょうか?
日照時間は、春分から秋分の頃に日本と同じくらいになるので、つまり一年の半分は、東京よりも日照時間が長いのです。やっぱり「白夜」のイメージが似合います。
(2018年の記録)
さらに面白い図を見つけました!
これは年間の昼と夜の長さを示した図で、上が東京、下がサイマー湖水地方です。図の色分けは、Astronomic Twilight=天文的な夕暮れ ,Nautical Twilight=海洋上の夕暮れ ,Civil Twilight=市街地での夕暮れです。印をつけた夏至の日には、4時間22分のCivil Twilightがあり、薄ぼんやりとした夕焼けの時間が夜ということになります。
これを見るだけで、フィンランドでの日照の移ろいがドラマチックなことが分かりますね。
「この世に悪天候は存在しない。ただ、不適切な衣服があるだけだ」
フィンランドでは、よくこう言われます。それは、フィンランドの気温や天気は一日の間でとても変わりやすいから。天気予報は参考程度にチェックして、あとはどうなっても大丈夫なように服装を用意するように、ということです。以前、天気予報が「晴天のち雷雨、時々雪」という冗談のような日があり、お知らせしているキャスターが笑いだしていたことがありました。
フィンランドへの旅の準備をしている方に、「どんな服装が適しているのか」という質問をよく受けます。変わりやすい天気に合わせてたくさんの物を用意するのは、旅人にとっては大変なことですよね。
私はこのようにお話しています。「あまり難しく考えず、春~秋は日本での服装にプラスして、ウィンドブレーカーや薄いダウンジャケットなどの上着、防水機能のある靴、帽子や手袋やマフラーなどの小物、これらをちょっと余分に用意するだけで安心できます。」と。
ただし、冬は日本ではなかなか体験できない寒さなので、万全の準備を。ポイントは、しっかりと防寒出来る上着と滑らない厚底の防水機能がしっかりした靴。あとは小物(帽子と巻物)を足したり、靴下や手袋を重ねたり(とっても効果あります!)で対応します。ポイントは重ね着です!冬には「何レイヤー着ている?」って会話が交わされます。ちょっと外に出るだけでも-15℃以下の時はしっかり防寒をしてください。ちなみに、‐15℃まではフィンランドの学校では屋外で体育の授業をするところが多いそうです。ただし、本格的なアウトドアアクティビティを体験する時はレンタルも可能なところもありますし、フィンランドデザインの防寒具を現地調達するのも楽しいので、心配しすぎないで下さいね。
フィンランドの四季や天気について、おすすめのサイト
visit finland(フィンランド政府観光局) (四季について、たくさんの写真でイメージできます)
株式会社ツムラーレコーポレーションHP (服装アドバイスが分かりやすいです)
What to wear in Arctic conditions (気温別の防寒着の参考に)
https://www.timeanddate.com/sun/ (世界中の気象に関するデータはこちらから)